Pattern

 

1.音もなく舞い落ちる木の葉と共に

  夜がやさしく垂れ込めてくる

  木立ちの中の家々に

  震える影を投げかけながら

  街灯のかすかな明かりが

  僕の部屋の壁に模様を描いていく

  まるでパズルのピースのように

  あるいは 子供のでたらめないたずら描きのように

 

2.狭い階段を登りつめた

  狭いちっぽけな部屋

  夕暮れの薄暗がりの中

  ベットにじっと身を横たえている

  壁に見据えられた僕の瞳に

  ぼんやりと映っている

  僕の人生の模様が

  そして パスルそのもの 自分の姿が

 

3.生まれた瞬間から

  死の間際まで

  息をしつづけなければならないように

  なぞっていかなければならないパターンがある

  まるで迷路にはまったネズミのように

  僕の前にひとつの道が広がる

  そして ネズミが死んでしまうまで

  そのパターンは変わることがない

 

4.闇が壁を包みこんだ後も

  その模様はまだ残っている

  暗闇の中に住んでいる僕には

  とてもよく似合っている

  まるで僕の肌の色のように

  あるいは 僕が年老いてしまった日のように

  僕の人生は 自分でほとんどコントロールできない

  様々なパターンで形づくられている



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